トイガンカスタム・空想銃デザイン工房。

PYTHON 3in"稲光(いなみつ)"

~各部カスタムポイント

■この文字色の文は設定です。空想設定なので実際の素材・機能とは異なります。

■この文字色の文は実際のトイガンとしてのカスタム解説です。

▼バレル

“居合い撃ち”の為に開祖が考案、銃匠に造らせたとされる独自バレル。フロントサイト(後述)、リブ、バレル、シュラウドが完全に一体になっており、鞘滑りの良い形状になっている。銃身の長さはやや短めの「3インチ」で絶妙のバランスを保っており、これは近距離での撃ちに特化した長さ。
側面には「渦巻く雲と一閃の雷」の模様が彫り込まれており、銘の“稲光”を象徴している。

○完全オリジナルデザインで寸法図面を描いた後、金属加工業者さまにお願いしてジュラルミン削り出しで特注製作してもらいました。さらに側面の雲模様は別業者さまにレーザー刻印を依頼。戻ってきたパーツをキャロムのメタルブルーコートで塗装仕上げして、模様部分には銀と金で色を入れています。

▼フロントサイト

バレルと完全一体型のフロントサイト。
フレームから流れるようなラインで造形され、収納・抜き撃ちの動作中に鞘内部で極力引っかからないよう工夫されている。

○加工については上述の通り。
ただし斜め上の微妙なカーブ曲面だけは図面でも表現が難しかったため、加工してくださった職人さんの勘と経験を頼りに綺麗に切削してもらいました(`・ω・´)サスガ!

▼リアサイト

「固定式」の頑強なリアサイト。
回転式拳銃では通常、前後左右に微調整可能で精密射撃向きの「可変式」リアサイトが一般的であったが、居合い撃ちによる衝撃や近距離での瞬間的照準のために大型固定式に変更されている。実戦主体のパーツだが側面には控えめに雲の模様も彫り込まれており、洒落っ気も忘れていない。

○プラ材を切削加工してオリジナル製作しました。
フレームにぴったりフィットして鞘に干渉しないようシンプルにデザイン。側面の模様は手彫りで、全体の仕上げ塗装以外にあえて色入れはしていません。

▼シリンダー

.357口径の弾丸を6発装填できる回転式弾倉。
回転式拳銃の弱点として再装填に時間がかかるという面もあるが、居合い撃ち戦術ではそもそも6発以内での短期決戦が前提となっている為、あまり問題ない。(それでも六火流では最低限の再装填技術の修行は必須とされる)

○切削加工などは一切なし。
丁寧に分解してキャロムのメタルブルーコート塗装で仕上げました。背面の鉄青・金・黒のカラーコンビネーションは不思議と和風に見えて気に入ってます。

▼フレーム&トリガー

.フレームは特に大きく手を入れられていないが、鉄青色に染められ側面に銃匠の紋が彫り込まれている。
トリガーは金処理。発射動作の中心となるこのパーツそのものが「雷」に見立ててある。

○フレームはコルトの「跳ね馬マーク」を消して新たに扇紋を彫り込みました。トリガーはゴールドカラーで塗装後、ジルコニアコーティング仕上げ。

▼グリップ

オーソドックスな黒純綿の柄拵え。
形状には工夫があり、振った際の遠心力で手からすっぽ抜けないよう末広がりの形状になっている。両側面には「雲と雷」を模した金の目貫飾り。グリップ底部にも雲のような渦巻き模様が細かく彫り込まれており、先端には穴の開いたスパイク状の金具が取り付けられている。この金具には根付紐などを通せるほか、超接近戦で打突攻撃に使用したり、鞘に収めた状態で銃を抜く方向を決める「予備照準」にも使われる。

○プラ板で左右のグリップパネルをオリジナル製作。鮫革を模した合皮を貼り付け、黒の綿紐を柄糸巻きにしました。目抜き飾りは10mmに満たない繊細なパーツで、職人さんに銀細工(&金メッキ)で特注。穴開きのスパイク金具も金属加工業者さまにステンレス削り出しで造ってもらった特注品です。

▼フレーム&トリガー

専門職人によって製作された鞘。
本体の形に合わせて成型され、鞘滑りがよく同時に銃も保護するための革の内張りまで施されている。これも現在まで銃が状態よく保存されている一因である。

○カイデックスホルスターの職人さんに特注で造って頂きました。
スピードシューティング用のホルスター製作の第一人者KD-PROさんです。コンセプトである「日本刀の鞘」の硬質感を表現するには、このカイデックス樹脂という素材が一番と考えてお願いしました。収めた銃の固定度合いをネジの締め付けで調整できたり、ほんとに人工スウェード生地を内貼りしてあって銃を保護できたりと、実際の機能も満載。最後に紫の綿紐を下げ緒巻きにして、「鞘」として仕上げました。

▼作者コメント

製作加工で今までになく色んな方々にお力をお借りした作品です。バレル成型、レーザー刻印、目貫飾り、鞘、と特注オンパレード(*゚∀゚)=3 お世話になった方々に改めて感謝!です。

“和拵えのリボルバー”はいつか作ってみたいな~とはぼんやり考えていたんですが、まさか漫画家さんからのご依頼で作品にできるとはまったく予想外でしたw

デザインとストーリー設定は最初のラフ絵を基にご相談しながら順を追って組み立てていったのですが、さすが現役プロのクリエーターさん!最低限欲しい部分はしっかり伝えてくださった上で、細かな創造性は削がないように配慮してくださって、とってもありがたかったです(´ω`)
作り手としても大満足の作品、現時点での一個の集大成として完成できたと思います。

2011.5.15

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