トイガンカスタム・空想銃デザイン工房。

▼STORY設定

2008年、創設されて間もないB.S.A.A.は長らく完全立ち入り禁止とされていたラクーン市の調査と研究を始めた。

そこで発見された旧アンブレラ社の極秘実験データをもとに、かつてはB.O.W.の効率的管理と兵器販売を目的として開発された兵器を、今は徹底的に撲滅するための戦術的装備として再現する試みも始まった。

DE.50AE「GREEN TRIGGER」もそんなB.S.A.A.装備開発プロジェクトの一環として試作されたカスタム銃である。

開発のベースとなったのは、旧アンブレラ社の兵器開発部門「UBAL(ウーバル)＝アンブレラ対バイオ兵器開発部門」で設計された通称「RED TRIGGER」。

.50口径の大口径マグナム自動拳銃・デザートイーグルをベースに、レーザーサイトとフラッシュライトを一体型で内蔵した超大型カスタムであった。

B.S.A.A.ではこの銃の思想、すなわち「都市部の狭所でも集中的に高威力装備を用いてB.O.W.を速やかに殲滅する」というコンセプトを継承し、各部をリファインすることで、現状の技術で即時製造できる量産装備を目指した。

ベースはデザートイーグル.50AEの10インチバージョン。IWI社からコンスタントに調達できる信頼性の高いマグナム自動拳銃で、マグナムの圧倒的破壊力はもちろんのこと、10インチの長銃身による射撃の安定性も持ち合わせた高性能モデルである。

試作品はこのDE-10inにレーザーサイトとフラッシュライトを内蔵したユニットを追加する形で製作された。

「RED TRIGGER」はかつての開発元の特性ゆえか、各部に特殊なパーツが使用されていたが、この部分は「現状調達可能なパーツで構成する」という新たな条件を満たすために見直された。

前後アイアンサイトは通常のDEモデルのスタンダードな形状のものを使用しているが、現状の対B.O.W.戦術の基本として夜光３ドット仕様に改められている。

レーザーサイトとフラッシュライト機能はそのままに、輝度や照射距離の長い最新モジュールが使用された。

また、RED TRIGGERで開発・搭載されていた目玉とも言える機能「指紋認証式トリガーシステム」は、機構の複雑さと製造コストを鑑みて、オミットされている。
トリガーはトリガープル調整のみのカスタムトリガーを使用。

グリップは旧作の設計が活かされ、ほぼ同じ形状の細身のデザインが採用され、弾倉部分には素早くマガジン操作ができるマガジンバンパーが取り付けられている。

RED TRIGGERをベースに、組織での運用を強く意識して再開発されたこのモデルは、B.S.A.A.のテーマカラーでもあるグリーンの色をとって「GREEN TRIGGER」と名付けられた。

B.S.A.A.北米支部で製作されたこの試作品は、ヨーロッパ支部へ持ち込まれ、英国にある実戦訓練施設でテストが繰り返された。

その結果、確かに都市部の閉鎖空間において、マグナム拳銃をベースとしたユニットカスタムは通常の大型B.O.W.に対して非常に効果的であると実証された。

その当初のコンセプトどおり、高威力弾薬による迅速な殲滅が可能。頑丈な設計が功を奏して耐久性・安定性ともに実戦に支障なし。長銃身による命中精度も充分実用に耐える。

ただしいくつかの課題も残った。強固さの反面、かなりの重量になり、使いこなすには相当の体格と腕力をもつ隊員に限られること。さらにその大型さゆえに携帯の面で難があること。

これによって結果的に本格的な実戦配備は見送られたものの、いくつかの試作品はEU支部隊に持ち込まれ、今でも現場で使用されているという。