トイガンカスタム・空想銃デザイン工房。

.44Magnum"SILVER SERPENT"

ゲーム「バイオハザード」に登場するS.T.A.R.S.隊員、バリー・バートンの専用カスタムリボルバー“シルバーサーペント”を、個人的趣味でイメージ再現してみた試作カスタム。 ※下記のストーリーは作者の空想です。CAPCOMの公式設定やグッズと直接関係はありません。

タナカ・ペガサスリボルバー

▼STORY(設定)

1997年10月。
アメリカ中西部・ラクーン市内のガンショップ「ケンド銃砲店」で二人の男が親しげに雑談していた。

一人は、前年に新設されたばかりの警察特殊部隊「S.T.A.R.S.」のメンバー、バリー・バートン。
そしてもう一人はこのガンショップの店主、ロバート・ケンドである。

「ところで先月話してた特注品なんだが…」
バリーはそう切り出すと、希望の仕様を箇条書きしたメモを取り出して見せた。

「あの『.44』か。なんだ、釣りに飽きて今度は象でも撃ちに行くつもりか?」
ロバートはいたずらっぽく笑いながらメモに目を通した。

ベースはコルト社製の.44口径リボルバー「アナコンダ」。銃身の長さは6インチ。
アナコンダは同社の.357マグナム弾仕様「キングコブラ」をベースに、より強力な.44マグナム弾を使用するリボルバーとして7年前に発表された。

バリーは既にこの銃を所有していたし、それはロバートも知っている。
(―何故なら去年バリーがこの店で購入したからだ。)

仕様リストは続く。

銃身を特注のブルバレルに交換。
PPCスタイルのアンダーウェイトを取り付け、フロントサイトも大型のドット付きパートリッジタイプ、リアはイライアソン型リアサイトに付け替える。

シリンダーは頑丈なノンフルート(側面の凹み溝なし)シリンダーで、.44マグナム弾を6発装填。

.44マグナム弾は非常に強力な弾薬だ。
.454カスール弾の威力には及ばないものの、コンスタントに量産され流通しているリボルバー用の弾薬としては97年現在で最高クラスの破壊力を持っていた。

この弾薬に限界までロード(火薬詰め)して重く貫通力の高い弾頭を装着すると、発射したときに大きな反動が発生するが、『近距離ならば北アメリカのどんな獲物でも狩ることが出来る』と言われる。
この触れ込みでもわかるとおり、主に「大型動物を狩る狩猟用の弾薬」として流通していた。

次はグリップの仕様だ。
ローズウッドを加工したフィンガーチャネル付き木製グリップで、手の大きなバリーに合わせてグリップフレームを延長し、底部にプレートを付けることでグリップ全体を大型化する。

そしてリストの最後の項目に目を通したロバートは、思わず顔を上げてバリーを見た。
「“グリップにはS.T.A.R.S.のロゴメダリオンを装着のこと” …これは市警の発注品なのか?」

驚くのは無理もなかった。
事実バリーがS.T.A.R.S.の火器整備・補充担当隊員なのだが、それでもロゴメダリオンを装着するとなるとラクーン市警察長の許可と署名入りの正式書類が必要になる。
そしてそれは同時に、この銃が警察特殊部隊の活動において「対人用」として用いられることを意味した。

「心配するな。俺を誰だと思ってんだ?ちゃんとこの通り許可書類も用意してある」
バリーはそう言いつつ書類を差し出した。

そう。実際、正真正銘のこの書類を得る為に、約半年もかけて根気強くチーフを説得したのだった。

バリーの趣味的な面ももちろんある。

彼は、大口径で高威力な銃火器が好きだった。巨大なパワーを自らの手で制御し、圧倒的な力で対象を粉砕する事のできる「道具」が好きだった。

だが何よりも、もっと現実的な必要性があったのだ。
SWAT時代に目にした、.45口径で撃たれても止まらない重度の麻薬中毒者。組織的にボディーアーマーやヘッドギア等の防弾装備を調達していた武装強盗団。そんな最悪の「人間の姿をした怪物」から、市民を、家族を、自分自身を守る。そのための圧倒的な力が必要だった。

「ま、そういうことなら問題ない」
ロバートは苦笑しつつ、
「それで銘は、“シルバーサーペント”か。…なんでまた?」

「全てを呑み込む、特大の大蛇(サーペント)だからさ」
そう言いつつ豪快に笑うバリーであったが。―約半年後、彼の考える意味とはまた違った「モンスター」を相手にこの銃で戦うことになるとは、予想だにしていなかった。

▼ベース:タナカ製ペガサスリボルバー・コルトパイソン6インチモデル

実銃は1956年にコルト社が開発した.357口径の大型リボルバーで、仕上げの高級さと高価格から「リボルバーのロールス・ロイス」とも呼ばれています。構造上多くの手作業での調整と念入りな仕上げを施された、まさに「熟練の技による名銃」。
このコルトパイソンを、独自の“ペガサスシステム”でリボルバーにも定評のあるタナカがモデルアップ。「6インチ」モデルは長銃身による高い命中精度と迫力の外観を兼ね備えたベーシックなサイズです。トイガンとしての機能もペガサスシステム(回転シリンダー部分にガスを注入する方式)による装弾数とも相まって、かなりイイ感じ。シリンダー中心の重量バランス・HW樹脂のどっしりした重量感も、今回の「剣×銃」の大型武器のベースとして最適だったと思います。

全長:292㎜ 重量:940g 装弾数:14発

パイソン 6インチ HW ver.2 ガスリボルバー

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