トイガンカスタム・空想銃デザイン工房。

CQCナイフ(グラウンドゼロズ/ファントムペイン版)

プラ素材のフルスクラッチでMGS3のビッグボス愛用のCQCナイフを、個人的趣味でイメージ再現してみた試作作品。

フルスクラッチ(プラ製)作品

▼受け継がれたCQCナイフ

1964年のスネークイーター作戦から11年。
かつてのネイキッド・スネーク=ビッグボスは世界で転戦していた。

ザ・ボスの死をきっかけに国と名誉を捨て去り、独り戦う意味を探し続けたビッグボスであったが、皮肉にもその師から受け継いだかのような強烈なカリスマ性に憧れを抱く兵士も多く、いつしかそれは“FOXHOUND”“国境なき軍隊”という軍事組織として形を持っていったのだった。

そして「CQC」もまた、受け継がれた。彼の指揮する実戦部隊では必須の戦闘技術として訓練され、所属する多くの兵士たちがこの技術を習得していった。
これによってCQCはもはや限られた者達だけの技術ではなくなった。

1975年、キューバ南端の米軍基地への潜入作戦でビッグボスが装備していたCQCナイフは、緩やかなカーブの切れ味鋭い薄刃のナイフだ。

ハンドルは握りこんだ際に力が入りやすい「窪み」のある樹脂製グリップ。

シース(鞘)もまた、軽くてメンテナンスの容易な樹脂製シースが使用されていた。

このナイフがビッグボス個人の特注装備だったのか、あるいは“国境なき軍隊”の一般装備品だったのか、詳しいことはわかっていない。

グリップエンドはセレーション加工されており、この部位を使って相手を抑えつけたり、ガラスを叩き割るといった使い方も可能。

ストラップ用の孔もついており、パラコード等の紐を通せば脱落防止のランヤードとして使える。

また、グリップ上部は大きくえぐられ細身になっており、握った際に力を込め易い。

これら以前のCQCナイフからの変更点は、10年間の間にビッグボスがCQC技術に更に磨きをかけた経験からもたらされた「改良」部分なのかもしれない。

サイズもまた若干変更されている。
全長は245mmとスネークイーター版とさほど変わりないものの、ブレード厚は4mmとかなり薄くなった。

ブレード自体の形状が大きく削り磨かれた薄刃形状であることと合わせて検証してみると、この変更によってこのナイフは刺突・切り裂きともにかなり殺傷能力が増したのではないかと考えられる。

興味深いのは、1974年・コスタリカでのピースウォーカー事件で一度「スタンナイフ」という“非殺傷武器”をCQC装備していたビッグボスが、そのたった1年後に、この殺傷力に優れるナイフに持ち替えていたという事実だ。

それは、単なる技術的な理由であったか、あるいは何らかの心境の変化による「殺戮への覚悟」であったのだろうか。

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