マルイのエアコッキングガン「S&W PC356」の各部を加工して、プリンキング(的撃ち)で使いやすくアレンジしたカスタムです。
東京マルイ・エアコッキングいまから十数年前。新卒で入った会社で鬱病になって社会人を辞め、実家に帰った頃。
目標も先の見通しもまったくなくただ無気力に日々を過ごしていた結利は、ふと気晴らしにエアガンでプリンキング(的当て)でもしてみようと思い立ち、Amazonで新品のエアコッキングガンを購入したのだった。
それがこのS&W PC356。当時マルイのエアコッキングシリーズで一番新しいモデルだった。
当時住んでいた家は山の麓にあったので、さっそく近所の雑木林に空き缶を吊るして撃つ。スライドを引いて狙いをつけ引き金を絞ると、まっすぐ飛んだBB弾が缶に当たって小気味良い音を立てる。
相変わらず心は空っぽで気分はすぐれなかったが、的をよく狙って撃つその時だけは余計なことを一切考えずに無心でいられた。
ただ、しばらく撃っているといくつか気になる点に気づいた。
スライドを引くときにダミーのセイフティレバーが手に当たって少し痛い。グリップも妙に角張ったかんじがして違和感を感じる。なんというか…しっかり握りきれていないかんじがする。
たぶん実銃ではこの部分はラバーグリップだからあまり気にならないのかもしれない。が、このエアガンでは硬質プラ素材で再現してあって柔らかさは一切無く、だから手にフィットしないのだろう。
ーそれなら手にフィットするように少し手を加えてみようか。
さっそく家に持って帰って、気になった部分を加工してみた。
スライドのセイフティレバーは棒やすりでひたすら削り落としてコッキングの時にスライドを掴んでも指に当たらないように平べったく整形してみる。実銃ではありえない改造だが、エアガンとして使いやすさを追求するカタチと割り切って加工した。
グリップのゴツゴツと手に当たる部分は棒やすりで荒く削った後、ペーパーやすりで磨いて滑らかに仕上げる。電動工具など一切持っていなかった当時はそれが精一杯の加工だった。
スライドストップレバーも手への当たりを柔らかくするために角を丸めたあと、パーツを組み上げて握ってみる。かなり自然に握れるようになった。
翌日、改修したPC356を持ち出して再び近所の雑木林で的撃ちをしてみた。
スライドを引く動作、握る手、添える手もストレスが減って、かなりスムーズに撃てる。
しっかり握り込めるようになったせいか命中精度も良くなった気がする。連続で撃つスピードも確実に速くなった。
気付けば持って行ったBB弾はすべて撃ち尽くしてしまっていた。鬱病になって以来これほど何かに「熱中」したのは初めてだった。
リアルな銃の形にこだわらず、エアガンを自由に加工して自分好みのカタチに仕上げる。これはちょっと面白いかもしれない。
それが原点だった。
実銃はアメリカの銃器メーカーであるS&W(スミス&ウェッソン)社のカスタム部門(パフォーマンス・センター)が1990年代なかばに限定で生産した高速弾「.356S&W」を発射するタクティカルなハンドガンです。PC356開発コンセプトの「競技にも実戦にも強いレーシング・マシン」をみごとに反映し、実戦だけでなくコンバット・シューティング競技でもすばらしい成績を残しました。
このPC356を性能・品質共に信頼性抜群の東京マルイがエアコッキングガンとしてモデルアップ。ブラックベースで側面が銀色のツートーン仕上げを美しく再現しており、まず見た目がカッコイイこのモデル。もちろん実射性能もバッチリで、箱出しでもホップアップのかかったBB弾が素直にまっすぐ飛んで的に吸い込まれていきます(´ω`)
全長:215㎜ 重量:420g 装弾数:30発
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