トイガンカスタム・空想銃デザイン工房。

M9 STAINLESS CUSTOM "VANARGAND"

先にオリジナル作品として発表した、IFシリーズ「Black Fish」と同じ世界設定のブレードガン。モチーフは“銀狼”というイメージでご依頼製作したオーダーカスタム作品。

マルイ・ガスブローバック

▼STORY(設定)

21世紀も半ば。
他惑星への移住計画も進められる中、地球本土ではいよいよ決定的に資源が欠乏し始め、先進時代を謳歌していた大国は実質的な侵略をも厭わず奪い合いを始めた。

またこの一斉侵攻には、一つの軍事技術の飛躍的進歩の影響もあった。
一時的な生体への機械の接続、「機械化兵(メカニカル・フォース)」技術の一般化である。
重武装し、驚異的な戦闘能力と防御力を持ち、仮に負傷しても文字通り機械のように修復されて戦線に復帰する機械化兵の軍隊。

そうした技術も資金も持ち合わせない後進の小国は、たちまち侵略と崩壊の脅威にさらされ、世界はまさに暴走した欲望と混乱の真っ只中にあった。

そんな時代。今はまだ小規模な影響ながら、常に侵略の脅威に怯えるとある小国。崩された防衛線の跡となった街で、幼い少女が保護された。目の前で家と家族を焼かれ、まさに地獄を目撃した少女の目には、何の希望も表情も無かった。

少女が連れて来られたのは国営研究機関。同様に「全て」を失った大勢の子供たちが集められていた。
行われていた研究とは「投薬による人体強化計画」。
成長過程にある子供に研究薬物の投与を続けることで、肉体的成長と共に比較的自然に「兵士としての強化能力」を身につけさせるというもの。人道的問題点も孕んだ危険な研究だが、当時国家滅亡の危機が目前に迫った情勢では「機械兵団への対抗戦略」の研究は急務であった。

薬物の副作用や壮絶な訓練によって殆どの子供達が死んでいく中、少女は奇跡的に生き残った。 薬物の影響で瞳の光彩は異常な輝きを放ち、細身の身体に秘められた瞬発力と治癒力、運動能力は、常人のそれを遥かに超えた。

少女が思春期を迎える頃、研究は一つの成果をあげる。
既に部分的に実戦にも参加していた彼女が、飛び交う弾丸と砲撃を、脚力と装備のナイフ一本で切り抜けたのだ。もはやその反射能力は、放たれた弾をナイフで切り落とすまでに向上していた。
しかし課題も残った。その後本格的に実戦投入された少女であったが、重武装した機械化兵の攻撃はかわせても、手にした銃火器ではその分厚い装甲を貫くことができなかったのである。

数ヵ月後、少女の部隊は絶体絶命の危機を迎える。今までにない数の機械化部隊の攻撃にさらされ、追い詰められたのだった。
死と最期を覚悟した彼女は、全ての闘争本能を発現して戦いを挑んだ。
敵兵に喰らい付き、あらん限りの力でナイフを刺し込んで装甲を剥がし、わずかな隙間から兵士の頭部へ弾丸を撃ち込んで、「不死身」ともいわれた一人の機械化兵を倒す。
これが後に最強兵術として残る「対・機械化兵戦術」の原点であった。

生と死の狭間で編み出したこの戦術は、戦況を一変させた。彼女は最前線でその戦術に磨きをかけ、ついに敵部隊を撤退させる程にまで成長させたのだった。

AMF(アンチ・メカニカルフォース)戦術体系化の過程で、彼女は専用武器の開発にも成功した。M9のステンレスバージョンをベースとしたブレード・銃一体型の新しいスタイルの武器で、銘を「ヴァナルガンド」という。これは北欧神話に登場する狼の怪物の別名。また彼女自身も、数々の逸話から「銀狼」と呼ばれた。

拳銃のサイズと身軽さを生かし、片手に持ったナイフで弾丸を弾き、その驚異的な移動能力で一気に相手の懐に入る。フレームに固定された超硬質素材の大型ブレードは敵の装甲を切り裂き、同時に銃本体に装填された強装弾を発射。コンペセイターからの噴出発射ガスの勢いも利用し、高速でブレードを敵に突き立てて、内部の「生体」へ弾丸を撃ち込む。
洗練された無駄のない動きの美しさとは裏腹に、銃の消耗は非常に激しく、特にブレードは頻繁に交換・補修を必要とした。

“少女”が“大人の女性”となった頃、彼女は既に伝説的な存在となっていた。

戦術はほぼ確立され、圧倒的な戦果を挙げていたが、一方で投与薬物による子供たちの「途中死」は未だ未解決。実際に戦場まで至る者はごく僅かで、そのため貴重で幼い“戦士たち”は1対1の師弟形式で鍛えられ、育てられた。

「銀狼」にも一人の“弟子”がいた。恐ろしく無口で感情に乏しい幼い男の子であったが、どれだけ熾烈な状況であっても決して諦めることを知らない強靭な精神を持っていた。

やがてその少年も戦士として成長した頃、攻めあぐねていた大国はついに全勢力を集中し、この小国への一斉侵攻を開始する。
一気に制圧することで、この国で誕生したAMF戦術も含め全てを手に入れる狙いであった。
戦況は再び暗転する。

防衛戦力も尽きつつあった、最期の日。全面的な決戦を前に、流れつつあるその“行き先”を悟った彼女は弟子の少年を呼び出し、告げた。

「ここから先は連れては行けない。全ては終わりに向かっている。私にはそれがわかる。かつて私は非力であった為に家族を守れなかった。だが、お前には今その力がある。生き延び、自分の定めた土地でそこに生きる人々を守ってあげなさい。どれだけ絶望的で困難な状況であっても、決して希望を失ってはいけない。私の教えた全ての技術は、人々を救える強力な希望になる。」

そう言うと彼女は一枚の図面を手渡した。彼女が彼の個性を加味して描いた「専用ブレードガン」の設計図。
必死に連れて行くよう懇願する少年の頬を涙が伝った。彼が見せた初めての涙であった。

それから十数年。
他惑星への移住船に、かつて“少年”であった男の姿があった。最後に見たあの国の戦火を脳裏に浮かべ、託された図面を手にして。

▼ベース:東京マルイ社製M92Fクロームステンレスモデル

実銃はイタリアのピエトロ・ベレッタ社が生産・販売している9mm口径の半自動拳銃ベレッタM92F。
その操作性、安全性から世界中の警察や軍隊で幅広く使われており、現在はコルト・ガバメントに代わり米軍制式拳銃ともなっています。ちなみにオールステンレスver.の名称は「M92Finox」。
このM92Finoxを、性能・品質共に信頼性抜群の東京マルイがモデルアップ。M9ミリタリーよりはやや後期に発売されましたが、内部メカやパーツ構成はほぼ一緒。ただ、外装にメッキ加工が施されている為に非常に美しく、若干キズにも強くなっています。また、メッキ厚のせいか少しパーツのかみ合わせがタイトで、セイフティの動きなどがヘタりにくいのも利点。デメリットは美しすぎて指紋が気になるのと(笑)、手入れを怠ると薄くサビが浮いてしまうこと、そして万一傷を入れてしまったときのガッカリ感^^; ともあれ基本性能はミリタリーモデル同様バッチリの良銃です。

全長:216㎜ 重量:755g 装弾数:26+1発

【まさにパーフェクトなM92F】東京マルイ ガスブローバック ベレッタM92F クロームステンレス★TOKYO MARUI

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