トイガンカスタム・空想銃デザイン工房。

PYTHON 3in"稲光(いなみつ)"

タナカのガスリボルバー「コルトパイソン・3インチ」をベースに、銃による居合抜き戦術に使用する和風リボルバーカスタム、いうご依頼イメージで製作したオーダーカスタム作品。

タナカ・ガスリボルバー

▼STORY(設定)

刀ではなく『銃が歴史を刻んでいった』パラレル世界の日本。
長きに渡る戦乱が終わりを告げ、天下統一が果たされたifの江戸時代。

戦場で武士達が己の存在の全てをかけて戦いに用いた「銃」は、携帯性と装飾性を重視しつつも、まだ武器としての実用性を失わない程度に用いられていた。
実用の機会は減ったとて、この世界においても武士にとって銃は象徴。この鉄塊の武器を常に帯びておくことは、武士のたしなみとされた。

しかし太平の世となり戦が絶えても、武士本来の戦闘者としての闘争心と求道精神は存在し続ける。武士達はその本能を「武芸」とし、その技術と精神を極めんとする者は武芸者として生きた。

武芸としての銃は通常はまず使われることはなく、仮に使用されるとしても場所は広い戦場ではなく都市部などでの突発的・小規模な戦闘が多い。

そのため“近距離でとっさに抜き撃つ”兵法が生まれる。
左腰に銃を鞘に収めた状態で相手との間合いを見切り、腰から素早く抜き放つ射撃で一気に決着をつける。
この概念を「居合い」という。

居合い撃ちの概念は実戦戦術として自然発生的に生まれたものとされるが、特にその技法で有名なのは「六火流(ろっかりゅう)」で、この抜き撃ち戦術をより具体的なものとして体系化した流派として知られている。

流名の通り六連発回転式拳銃の使用を主とした流派(このため“六つの火”で六火流)である。

真偽は定かではないが、開祖は“抜き撃ちの一振りで六発の弾を全弾発射し命中させる”という奥義・六火一閃なる技をも会得していたと伝えられている。

開祖はその得物の研究にも熱心で、今も伝わる銘銃 『稲光(いなみつ)』 はこの人物が居合い撃ちのために考案・工夫し、完成させた最初の専用回転式拳銃。 ※銃器の技術としては、戦国末期には既に自動で連射のできる長物や装弾数の多い拳銃も試作はされていたが、携帯性・意匠性・動作の確実性等から、この江戸初期における主流は未だ回転式であった。

銃身や柄の目貫飾りに施された雷をモチーフとした意匠は“雷光の如く一瞬の閃きに凄まじい威力を秘める”居合い撃ち戦術の極意そのものを表現しており、銘の稲光もまたここから由来する。

銃身はやや角張っているが、鞘からスムーズに抜けるようフロントサイトも一体化した流れるような造形。
リアサイトは細かな調整式ではなく、あくまで頑強な完全固定式の大型で、たとえアバウトでも平常培った感覚をもって瞬間的に標的を捉えられるよう工夫されている。

握柄はオーソドックスな黒純綿の柄拵えだが、付け根を絞り込み、逆に底部側は振った際の遠心力で手からすっぽ抜けないよう末広がりの形状になっている。

先端には穴の開いた突起金具が取り付けてあり、場合によってはこのスパイク金具で直接打撃も行える。(穴には根付紐などを取り付けることもできる。)また、鞘に収めた状態でも、この金具を向けた方向で銃を振り抜く軌道をシュミレーションするという、「予備照準」とも呼べる高度な技術にも用いられた。

本体の表面処理は「黒染め」による化成処理で、このため銃は全体に青黒い独特の輝きを放っている。 ※この色合いは江戸初期までの銃匠による職人技法であり、後に リン酸塩処理などが主流となるため、現在では希少なものとして美術品的価値も生み出した。

また鞘も専門職人の技によるもので、本体の形に合わせて成型されて鞘滑りがよく、銃を保護するための革の内張りまで施されていた。これも現在まで銃が状態よく保存されている一因である。

後も様々な銃匠が「六火拵え」として模倣し発展させる礎ともなったこの“元祖の銃”は六火流の技法と共に代々伝えられ、現在もその極意を受け継いだ一人の武芸者の腰に帯びられているという。

▼ベース:タナカ製ペガサスリボルバー・コルトパイソン3インチモデル

実銃は1956年にコルト社が開発した.357口径の大型リボルバーで、仕上げの高級さと高価格から「リボルバーのロールス・ロイス」とも呼ばれています。構造上多くの手作業での調整と念入りな仕上げを施された、まさに「熟練の技による名銃」。
このコルトパイソンを、独自の“ペガサスシステム”でリボルバーにも定評のあるタナカがモデルアップ。「3インチ」モデルは2.5インチほど短すぎず、かといって4インチや6インチ程はかさばらず、グリップ長さとのバランスも絶妙のサイズです。トイガンとしての機能もペガサスシステム(回転シリンダー部分にガスを注入する方式)による装弾数とも相まって、かなりイイ感じ。サイズ・ガタの少なさ等、特に今回の「素早く抜き撃つ」というコンセプトにはもっとも適したベースだったと思います。

全長:214㎜ 重量:600g 装弾数:14発

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