トイガンカスタム・空想銃デザイン工房。

"エンジェルイーター"

オーナー様のご要望で、使用によって傷んだ同作を再塗装仕上げさせて頂いた「リペイントバージョン」の紹介です。

■この文字色は設定です。空想設定なので実際の素材・機能とは異なります。

■この文字色は実際のトイガンとしてのカスタム解説です。

▼その後
(ストーリー製作:カーツウェル氏)

かの使役者が襲来する数多の天使を狩り続け、人でありながら悪魔としての地位を僅かながらに持ち始めた頃。悪魔を使役する人間を危険視する悪魔側にもそれを良しとせぬ者達がいた。

レラジェ…30の悪霊軍団を率いる序列14番の地獄の大侯爵である。彼の武器は弓矢であり、それに因る傷は忽ち肉体が腐敗し壊死させる壊疽症を引き起こす事ができた。

彼はグレモリーと使役する人間がこれ以上に悪魔をも脅かす力を付けるのではないかと、保守的な考えを持つ悪魔達に賛同した中の一柱である。

神々同士の戦いとは本来であれば、各々が所有する軍団も含めた「会戦」の様な戦い方をするものだが、それでは騒ぎが大きくなり他の勢力を刺激しかねない故、単身で一撃必殺を狙う為の神選と作戦として彼が選ばれたのであった。

斯くしてレラジェは、かの人間が天使との戦闘を終わらせ一息をついた瞬間を目掛け一矢放ったのだが、同時に左肩に激痛が走った。

グレモリーは戦闘が得意な悪魔ではないが、実力で公爵に座する強大な悪魔であり、またそれを使役する人間もこれまでの戦いで神々との戦い方を身に着けていた。
彼女の察知により、矢を銃身で弾くと同時に射線へ一撃放ち、銃弾は彼の左肩を吹き飛ばしていたのだ。

レラジェは、悪魔の力を借りているとは言え人の身でありながら見せた一瞬の芸当に、己の憂いは間違いがなかった事に戦慄と畏怖めいたものを感じつつ、すぐさま撤退した。

それは傷が癒え、次に相見えることが有るとすれば、かの一柱は居なくなっていることを確信していたからである。

戦いののち、使役者が異変に気付いたのはしばし時が経ったあとであった。

グレモリーが銃に模している時は余程の事がない限り使役者との間で言葉を交わす事は無かった為、初めてそれに気付いたのは狩りの獲物へ狙った射線がズレた事からだった。

そして、幾ばくもせぬ内に全体が荒れ始めたのだ…元々古ぼけた様な外観ではあったものの、それとは違う酷い荒れ模様だったのである。

使役者は彼女にどうした事か問い掛けるも、返答は無い…今まで声を掛ければ何かしらの返答はあったものだ。

しかし返答は思いもよらぬ所から発せられた…持ち手へと擬態した大駱駝からである。

ソレが言うには、症状から以前に放たれた矢はレラジェという悪魔の仕業、その効能は悪魔に対しても例外無く発病し、進行はある程度魔力で抑えられているが、このままでは能力は愚か存在自体を維持する事が出来なくなるであろうと。

そして最後に、事象に詳しい、ストラスという悪魔に助力を賜る事を提案した。

ストラス…26の悪霊軍団を率いる魔界の王子であり、普段は鴉の姿。召喚者の呼び掛けによって魔法陣の中に出現した時のみ本来のフクロウを模した奇妙な鳥の姿で現れる。

彼は天文学、薬草学、鉱物学といったものに精通しており、主に自然界からの秘めたる力を引き出す能力を持っている。

彼は病魔に蝕まれたグレモリーを一目見ると羊皮紙に材料と配合式を書き記して渡し、その魔術霊装を施せば治る事を伝えた。

その素材や製法はそう難しいものではなかったが、使役者は簡易補修は出来ても銃の複雑な加工施術となると勝手が違う。

だが彼女の改造を頼んだガンスミスの存在が思い浮かび、ストラスから渡された魔術霊装の書物と材料を手に、一縷の望みを託して工房へと向かうのだった。

▼全体の再生、再仕上げ

レラジェの毒によって銃として形作られていた鋼が腐食を起こしそれが表面まで浮き出ていたため、霊的技法を用いて根本の腐食を取り除き、浮き出た錆を磨き落とし、表面は再コーティングされた。その姿はちょうど化成処理(ブルーイング)を施された鋼のようで、青く光る美しい姿に生まれ変わった。

▼再塗装

○HW材の錆なのか実際にかなり表面が荒れてきていたため、一旦表面の塗装を研磨して全て剥がし、再塗装を施しました。表面を均したあと、シルバー塗装→クリアコーティング→ブルーイング風塗装の順に3層の塗装仕上げです(`・ω・´)b

▼各パーツの再塗装

○全てのパーツをほぼ全分解して研磨&3層再塗装を行いました。特にシリンダーはHW材の錆?による表面の凸凹など荒れが目立ったため、所々樹脂で埋めてから再研磨しなおしてノンフルートの綺麗なラインが出るように仕上げました。

▼サイト等の再塗装

○サイトなどの金属部品も分解&研磨&再塗装を行いました。ネジも箇所によって塗装・塗装なしを選んで加工しました。

▼グリップ

大駱駝が姿を変えたグリップもまた、グレモリーの再生にあわせて再構築された。(あるいは治療法を進言したことに対する報酬だったのかもしれない)
新たな形は以前よりも艶を抑えた木製グリップで、より握りやすく指の形に合わせたフィンガーチャネル形状になっている。その握った感覚は動物の毛並みを感じさせ、不思議なぬくもりすら伝わってくるという。

▼新質感

○オーナー様が元グリップをヤスリで再加工したのち、亜麻仁油でオイルフィニッシュされています。以前に比べてあきらかに質感と色味が変わっていて、結利はどっちが好みかと問われれば断然今回の方です(*´ω`)b

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