“ソレ”らの気配で「八」が目覚める…。
枕元に忍ばせた相棒に手を伸ばす。
これはいつもの…。
ベランダに3、いや4体か
姿は見えないが“オトメ”の素質が確かに捉える。
フロントサイトのない、銃の側面に集光サイトがつけられた“トクベツ”製接近戦カスタムの銃。
その青い目(サイト)越しに奴らが...?
ーちっー
舌打ちに透かさず眼鏡を掛けると、飛びかかってくる“ソレ”らに弾丸を浴びせる。
空に飛び交う“ソレ”に弾丸を叩き込む。
私の弾丸は…容赦はしない。
ーまだ居るのか、しつこい奴らー
銃に装填された弾が全て吐き出される。
腹が減った、とでも言いたげにスライドが止まる。
ーさあて相棒、もうひと暴れしようかー
枕の下に隠していた弾倉を叩き込む。
スライドストップを引き下げる。
銃声の旋律を奏で、引き金を引く、悲鳴の歌が聴こえてくる。
やがて奴らは動かなくなった。
足下に転がる薬莢を蹴り散らすとカーテンを開けて外を伺う。
さっきまでのバタバタなんてなかったかのような、いつもの平凡な朝。
学生やサラリーマンがいつものように学校や会社に向かっていく。
朝から暴れる羽目になったのは私だけか。
寝床に散らばる薬莢を払いのけ眼鏡を外す。
さあてもうひと寝入りだ。